マッキンゼー式 最強の成長戦略。
この本で一番重要なキーワードとして、
「グラニュラー」という単語が出てくる。
「グラニュラリティー」「グラニュラー」という単語に関しては、
p015「言葉の定義」でとりあえず書かれているが、
定義として書かれている文章自体が歯切れが悪くて困る。
p015
グラニュラリティー(粒度)という言葉はビジネスの世界で
使われる言葉ではなく、本来は科学や工学の分野で、
システムの構成部分の大きさを意味する用語として使われる。
構成部分が多いことがグラニュラー(つまり「粒が細かい」)なのである。
(中略)
私たちは本書において、真の勝利の方程式は、
市場のセグメントとそのニーズ、
そしてそれを満たすのに必要な能力をつぶさに
理解することしか生まれえない、ということを伝えたい。
俺が本書を読んで「グラニュラー」とは何ぞや?に対して、
出した解釈は「(状況把握のための)最小単位の定義」である。
戦略を考える上で、組織とその組織が対応すべき市場を考えた場合、
どの程度の単位で情報を吸い上げ、状況把握をし、決断を下すか、
が、問題になるよね?という部分に対する提案が本書には書かれている。
「最小単位の定義」を行った上で、戦略の方向性を定めるには、
「成長とはなんぞや?」「成長の把握方法」が必要であると説き、
- 3つのシリンダー
- 3つのホライゾン
というコンセプトを示してそれらを解説している。
3つのシリンダー
- ポートフィリオ・モメンタム
- M&A
- シェア獲得
この「3つのシリンダー」に関しては、
p113からの「成長の方向性」からに詳細が書かれている。
3つのホライゾン
この「3つのホライゾン」は、
p171からの「成長の方向性のマッピング」に詳細が書かれている。
前述の「3つのシリンダー」の概念と組み合わせて、
成長の方向性を決めるツール「成長マップ」を提案している。
p174
成長の方向性を定め、その実現に必要な行動を計画する際に、
十分な厳格性をもたらすツールである。
専門性の高い内容だが、経営に関する専門知識を、
持ち合わせていない人でも、
「あーなるほど、そういうことね。」と腹に落ちる、
丁寧な解説と提案が光る1冊だ。