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2018/01/30(火)早稲田大学「映画映像」映像制作実習作品上映会「線引き」「亡霊は笑う」「ひとひら」「最期の星」感想。

ざっと感想を書いておこうと思う。
4作品どれもクオリティは高くて悪い作品は1つもなかった。

「線引き」

上映中にパワーポイントの資料映像が半透明で被る、という謎トラブルがありましたが作品自体は良作。
あんな可愛くてちっちゃい女性が引越し屋の仕事をやるわけねーだろ、というのはファンタジーではありました。
が、世の中にある「女性だからこっちやって」的な区別、下手すれば「差別」にジワジワといつの間にか突っ込んでいく現象はよく映像に出来てるなぁと。


ただ、主人公の女性が「仕事の初心者だから」あの状況だったのか「女性だから」あの状況だったのか、ちょっと分かり難かった、かな。
話の流れ的には両方だったんだろうけども。新人を使って、新人がミスをして主人公が怒られる、ってところまでが描かれてたし。


それと、うどんが食べたくなりました。
(観た人だけが分かれば良い)
っていうか、主役の女性可愛かったな。


それと監督さんの人柄からできあがったチームの雰囲気の良さは今回の4作品の中で一番だったように客席からは感じた。

「亡霊は笑う」

個人的にはかなり好き。おっさんウケが良い作品かも、と思ったり。
お笑い芸人でスターになる事に憧れてたけど、それもどうも上手く行かず、、、というストーリー。
王道のストーリーだと「最後に大逆転でお笑い継続!ハッピーエンド!!」とかになりがちなところを、最後はマイホームパパ初心者の道へ進む、というエンド。


ともすれば、夢を諦めたという点で暗い終わり方になりそうなところを「それでもハッピーエンドにする!」という作り手の意思を感じたかな。
それにしても「亡霊」の登場回数が少なすぎるのでは。。。亡霊なしで進行しても問題なかった気がする。


他、上手く話の盛り上がりを作れれば、観客の心をもっと揺さぶる作品になってたと思われるだけに少しだけ残念ではあります。
だって、幼い子供、妻がいない、夢を諦める、なんていう、涙をさそいそうな要素がこれだけあるのに全て「すい〜」と展開してるのは勿体無いだけだった感じ。
客を泣かせろ、という意味ではなく、もっと客を強く引き込めたはず、という意味で。


ダメな父親、その相方。
コンビニ店員の女性、とにかく役者さんの力量が非常に映える作品でもありました。
キャスティングによってこの作品のクオリティが作り上げられた感。

ひとひら

今回の4作品中、1番好きだった作品。
思春期のうちに「大人になること」へのムカつきと自身の変化への嫌悪、というか、ある種の「軽蔑」が丁寧に描かれてました。
あの時代に持っていた、大人への「軽蔑」は、先に大人になった「フリ」をしている同世代へも向けられるわけですが、それもちゃんと含めてるのは丁寧すぎるほどに丁寧で。


そして、行きたい場所へ「来年」ではなく「今年」行かねばならない事も、その「軽蔑」そのものに自身がなる前の駆け込み。
なんでもない駅からなんでもない駅へ。
変わりたくない自分、変わって欲しくない相手、変わりゆく自分、変わっていた相手。
そして最後に花のない花畑。


あぁ、なんと素晴らしい。
またスクリーンで見たい作品でした。

「最期の星」

私が大好きな小川紗良さん。
結論から言うと「なんか突然、小川紗良さんが変わろうとして、ちょっと変なものを出してきた」という感じ。
なので「BEATOPIA」のようなある種「完璧」なものを期待してる人には残念かもしれない。
小川紗良新境地、なのですよね。


今回のはちょっとこれまでと違ってたんですよね。少し無茶を入れたりとか。
「アザラシのさっちゃん」は以前の小川紗良さんだったら絶対入れてないだろうしwwwww
そういう意味では以前と違う小川紗良作品を観れるよ!ってことで。


主演の小川未祐さん、良かったんだよなぁ。
誰も手の届かない場所へ行きたい、けど、そこに行ったら戻りたい。
このあたりは、女性が共感するところで男性には伝わらない部分かも。


俺がどこかしら、妹がいるからか思考が女性的な部分があるからか、何を言っているのか分かるんだけども。
誰も手の届かない、あの場所。


今回の4作品の中では一番チームが「プロ」だったのがこの作品かな。
パラパラ漫画すら素晴らしい出来で、あれだけ欲しいくらいの愛おしさだった。