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大杉漣さん、最後の主演&プロデュース映画「教誨師」観てきた。

やっと観てきたのだけども、まぁもうすぐ上映終わっちゃうだろうな。
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俺は可愛い女優さんが好きで映画とか舞台に行くっていう、趣味の「軸」みたいなものがそういうところにあるもんで。
そうなると、大杉漣さんって色んな作品に出てる方なのもあるし、まぁ、おじさんだし、ってところでボンヤリと「いつもそこにいる人」というイメージの方なのであった。


ただ、その「いつもそこにいる人」という事が如何に凄い事であるのか、という事に私が気付いたのはここ最近である。
私自身が「おっさん」となってしまって何をもって「凄い」と判断するのか、の基準が年齢と共に変化したこともきっと影響してる。
それと松居監督と何となくご縁ができてからの「バイプレーヤーズ」に大杉漣さんが出演されてて、それを観て好きになった感じはある。


好きになるのが遅すぎた、か。


教誨師」は死刑囚と大杉漣さん演じる「教誨師」との拘置所での会話の物語だ。
なので、大杉漣さん以外の役の方は「いつか死ぬ日が指定される」人の役である。


観た感想を単純に言うなら「壮絶」である。


生きる意味をすでに剥奪されているような状況の死刑囚と、死刑囚が「悔い改める」ことで「残りの生」と向き合う、そのための時間を描いているのだが、大杉漣さんが演じる「教誨師」の役も「壮絶」であるが、各役者の方が死刑囚を演じられている事も「壮絶」である。
だが、どこまで死刑囚の「壮絶」を表し描かれているかは、日常生活で死刑囚と会う事がない私のような人間にとっては、作中で観せられたモノ+想像の領域であり、ここに描かれている死刑囚も見方によっては「ひょっとして現実から、やはり遠いのでは?」と思う事もあったが、しかしながら何割かは「現実」なのだろう。


その前提で作品の中の死刑囚を受け止めると、何割かが空想であっても「壮絶」なのである。


何人かは向き合えずに終える、何人かは自らの正しさを疑わずに終える、何人かは何が何なのか把握もできずに終える、何人かはそれこそ理不尽に終える。
おそらくそこは「現実」なのであろう。


中でも、ホームレス役をされた、五頭岳夫(ごづたけお)氏が凄すぎて圧倒される。
インパクトが強い、とかそういう感覚を通り越して「あれが演技なのか?!」と彼の演技に畏怖すら感じる。


なんと表現したら良いのだろうか。
世間を理解できない知能に問題を抱えているであろう老人を演じた後に、病気で体の自由が効かなくなる老人となり、洗礼の後、衝撃的な言葉が書かれた「雑誌の切り抜き」を手渡すのだが、全てが脅威的だった。


是非とも色んな方に見ていただきたいんだけど、まぁ、上映終わっちゃうんだろうなぁ。
良い作品だけど重い内容なので「行ってみて!きゃぴ⭐️!」みたいな感じで勧められないのでなぁ。
(普段からそんな勧め方はしないけどな!)