時と、空気と、香りと。
不安感に包まれない時は。
焦りに追われるか、
失望に苛まれるか、
怒りで狂うか、
何もない空白の時間であるか。
「空白の時間」なんて、時間を舐めるだけで、
時間を舐めるのは、ただただ苦いだけであって。
疾走感に包まれる「時」があるなら。
あなたにあるならば、その「疾走感」は「幸」であると理解して欲しい。
「疾走感」に包まれるあなたの耳には、
心が駆け抜けている時の「風切り音」は聴こえるか?
冬の風を勢いよく吸い込んだ、あの鼻の「運が悪い」感じの
さわやかな痛みと、その風の香りは匂うのか?
心が走れない人に「幸」は訪れぬ。
温かい、優しい、そんな声に、手を添える。
モニタを睨みつける、横顔の、あなたの眉に、キスをする。
通り過ぎるたびに、舞い上がる、あなたの体温に、傘を差す。
寄り添ってくる、あなたの後ろ姿に、マフラーを。香水を。